社会教育DVD「地域が主役避難所の開設と運営のしかた」

監修:日本災害復興学会会長 明治大学大学院特任教授工学博士 中林 一樹

価格(DVD)65,000 円+ 税 約24 分
《公共図書館・視聴覚ライブラリー=貸出可・上映可》2017 年制作

【企画意図】
 広島で発生した土砂災害や東日本大震災、そして熊本地震など、過去の災害は多くの教訓を残しています。その一つが避難所のあり方です。避難所で長時間に渡って過酷な生活を強いられた人の中には、心身の健康を損なったり、亡くなったりする方がいます。また、女性のプライバシーの問題や防犯なども大きな問題として認識されるようになりました。災害という厳しい状況下、少しでもより良い避難環境を確保し、助け合って生活するための避難所の運営は大きな課題となっています。
 本作品では、災害時の避難所について基本的なことを示し、過去の災害からどんな教訓が得られたか紹介します。そして、地域で行われている避難所開設・運営訓練の事例を通して、災害時に避難所はどんな手順で開設運営していくのか、また、どんなことに注意したらよいのかというポイントを解説し、避難所をより良いものにするためのヒントを提供します。

【内容】
■避難所の基本
 指定避難所には、避難所開設のために緊急で必要と考えられる物資を行政が準備して備えておく備蓄倉庫がある。避難所を開設するのは市町村長、避難所の運営は地域住民による自治が基本となる。

■安心· 安全なレイアウト
 過去の災害での教訓から、最近では体育館のレイアウトを工夫したり、体育館だけでなく教室も活用するなど様々な方法が検討されるようになった。個々のプライバシーや要援護者に配慮したレイアウト作りには、段ボールの間仕切りや、段ボールのベッドが有効である。これらを備蓄しておくとともに、災害時にスムーズに組み立てられるよう、訓練しておくととが大切だ。

■開設と受付・誘導
 災害が発生し、避難所を開設するととが決まったらどのようなことが必要なのかを、ある指定避難所で行われる避難所開設訓練からひも解いていく。
 ここでは参加者一人一人に役所の人や町内会長、体の不自由な人などの役割を割り当てて、避難所の開設と運営を体験する訓練を行っている。こうした実践的な訓練を繰り返すととが大切である。

■トイレの設置と衛生管理
 東日本大震災では、和式トイレが使えずに苦労した高齢者が大勢いたという。災害時には、高齢者や障害のある人も使いやすい洋式トイレを確保することが大切だ。また、トイレの衛生管理では、清潔に保つための使い方や清掃について、避難者全員に十分に呼びかけることが大切である。

■水・ 食料の配給
 避難所では、避難者に水・食料を確保して配給することも重要な仕事である。避難所にいる人だけでなく、在宅避難者の人数にも配慮が必要だ。避難所は単に避難してきた人のための施設ではなく、在宅避難者を含めた地区全体の災害対策本部でもあるととを忘れてはならない。

■健康管理と防犯
 大勢が集まる避難所では、感染症と食中毒、また、熊本地震で多数発症が報告された、いわゆる「エコノミークラス症候群」についても十分な注意が必要である。
 また、災害時は犯罪行為が多発する危険があるため、避難所では当直体制をとってパトロールを行う必要がある。
 安心・安全な避難所運営のためには、犯罪行為を許さない雰囲気づくりが大切なのである。
販売価格 71,500円(本体65,000円、税6,500円)