現代心理学 「発達と支援 �供〇�童期〜 高齢期」 (全10巻)
監修 田島信元( 白百合女子大学教授)
価格(DVD)全10巻セット600,000円+税 各巻60,000円+税 各巻約30分 2013年11月21日発売
対象:大学(心理、保育、教育、看護、養護系)、教育・研究機関
人は、幼児期までに自力発達の基盤づくりを達成し、本来的にもつ発達能力を発揮しながら、老いて死を迎える瞬間まで発達を続けます。人間の一生の問題である発達は、過程によって様々な変奏が加えられるテーマでもあり、また、その成就には他者からの支援が不可欠になります。
本作品は、生涯発達過程に於ける児童期から高齢期までの発達の様相や特徴、支援の原理やあり方について最新の知見に基づく実験や観察、データなどを交えて分かりやすく紹介、解説する心理学映像教材です。
●発達心理学の最新の知見を反映。
●発達の様相と支援が分かりやすく提示され、児童期から高齢期の発達の基礎が理解できる。
●“百聞は一見に如かず”−実験、観察など、映像の特色を生かした内容構成。
●生涯発達過程に於ける重要な領域を網羅。
●授業で活用できる。
●各巻は独立した内容構成で、テーマごとに視聴できる。
監修者のことば
生活世界に密着した生涯発達と支援
田島 信元 (白百合女子大学教授)
ヒトは生物として豊かなポテンシャルを持って生まれてくる存在です。同時に、そのポテンシャルを発揮して生まれ出た生活世界に適応し、変革も伴って主体的に生き抜いていく存在です。また、ヒトがその生物学的基盤のもと、文化的環境に出会うとき、その出会いは、必ず養育者や先達、仲間などによって媒介されて成立します。このときの媒介的活動が支援の本質です。その意味では、発達は支援なくしては成立しないのです。そのため人間は、こうした「人間(発達主体)ー環境(生活世界)ー支援(媒介)者」という3項関係を通して発達するよう生物学的に制約を受けているといってよいでしょう。そして、児童期以降は、幼児期までに培った基盤のもと、文化的に規定されてくる発達課題を、支援を受けながら達成していくことで生涯発達の過程が形成されていくのです。その意味では、支援がある限り、人は生涯、発達し続ける存在だといえましょう。
現代心理学「発達と支援�� 児童期〜高齢期」では、先に刊行した「胎児期〜幼児期」に続き、児童期から高齢期に至る生涯の発達過程について展開するもので、児童期以降の人間の心理的発達の理解とともに、発達に必須の社会、文化的な支援のあり方について、その特徴や様相を検証、解説する映像教材です。最先端の知見を実験や再現シーン、表やグラフを用いて分かりやすく示し、人間が生涯発達を遂げていく過程のダイナミズムに迫ります。
�〇�童期〜高齢期の位置づけと支援のあり方
田島 信元(白百合女子大学)
生涯発達の生物学的側面と文化的側面/生涯発達における支援と教育の位置づけ/児童期〜高齢期の発達課題と様相
【解説】

人間は、豊かな生物性のもと、他者を媒介とした生活世界との交流を通して、その支援を受ける形で文化的に規定される発達課題を達成し、文化的発達を遂げていきます。それ故、人間の発達は支援・教育とは不可分な存在といわれています。しかし、支援は発達主体の自主性・自発性を支えるもので、しつけといったことばに含意される大人や社会の意向の強制的受容とは一線を画す必要があります。学校文化に遭遇する児童期、親子関係・対人関係・自己と社会との関係などの調整を求められる青年期、配偶者との家庭経営、職場体制への適応が重要性を持つ成人期を通して、地域・職場での広く後輩に対する養育性の達成、社会的貢献として花開く中年期、高齢期というように、発達課題の達成を通して人は生涯、発達し続ける生涯発達の過程を辿ります。
ここでは、発達と支援の原理、児童期〜高齢期の発達課題に基づいた支援のあり方、その結果としての発達様相について総括的に解説し、発達障害児への対処について必須の支援の原理についても言及します。
【キーワード】
生得的能力/学習/ピアジェ/生物学的側面/葛藤/同化/調節/文化的側面/社会的な相互作用能力/幼児期/児童期/思春期/青年期/成人期/中年期/高齢期/支援/教育/つしけ/共同行為/異文化交流/ヴィゴツキー/発達障害/発達力/治療モデル/ガブリエル・サロモン/補償モデル/最恵モデル/学校文化/グループ学習/共同学習/孤立/アイデンティティの危機/自己の再体制化/就労/晩婚化/非婚化/ワークライフバランス/養育成/ジェネラティビティ/サクセスフルエイジング
�∋�童期の対人関係・向社会性・自己の発達と支援
藤崎 眞知代(明治学院大学)
児童を取り巻く環境とその変化/児童期の社会的発達と教育/児童期の社会的発達のつまずきと支援
【解説】

児童期においては学校生活が中心となってくることにより、友だち関係の重要性が増してきます。また、認知的発達に支えられて自己中心性を脱し、自己と他者の理解が進み、社会的ルールに即した行動も形成されてきます。その一方で、人との関係の広がりは、様々な困難にも直面することになります。
ここでは、まず、友だち概念や友人関係が質的に変化し、児童期特有の仲間集団を形成し、そこでの経験による学びと限界について触れます。学校生活における様々なルールは、児童の慣習・道徳に関する理解を促し、多数決の意味や向社会的行動を行う理由にも変化をもたらします。こうした変化の背景として教師と児童との共感的関係が大切なのです。また、この時期の重要な課題として仲間との比較などを通して自己概念を形成し、肯定的な自己感から自尊心をもつことにも言及し、さらに、社会的発達のつまずきとして、学校特有の問題としていじめ・不登校、子どもの特性による問題として発達障害などを取り上げ、支援のあり方についても解説します。
【キーワード】
社会的発達/ユリー・ブロンフェンブレナー/マイクロシステム/メゾシステム/エクソシステム/マクロシステム/担任教師/学習/私的空間/公的空間/遊び空間/学習空間/一般的困難/個別的困難/有能感/保幼小連携教育/自己中心的思考/役割取得/友人・友だち概念/持続的関係/互恵的関係/共感的・人格的・内面的関係/ギャング・グループ/チャム・グループ/道徳/ローレンス・コールバーグ/ギリガン/女性の道徳/多数決/向社会的行動/規範意識/モデリング/共感的な人間関係/自己観察/社会的フィードバック/社会的比較/自己概念/コンピテンス/ハーター/全体的自己価値観/学級風土/いじめ/不登校/きっかけ/環境要因/個人要因/保健室登校/発達障害/自閉症スペクトラム障害/注意欠陥・多動性障害/広汎性発達障害/包括的支援プログラム
��児童期の学習・記憶・情報処理の発達と支援
中澤 潤(千葉大学)
児童期の認知発達と情報処理/認知発達と教科学習の基礎/児童期の認知発達のつまずきと支援
【解説】

児童期は、記憶や思考など、いわゆる認知の機能が大きく変化していく時期です。子ども達は児童期初期の自分の視点や知識からなかなか離れられない思考から、次第に事実とは反する事柄であっても、純粋に論理に基づいて思考できるようになり、さらに小学校を卒業する頃には抽象的な記号操作も可能になっていきます。このような認知・情報処理システムの発達、また自分の認知状態を自分で理解し、学びに活かそうとするメタ認知の発達は、小学校という場から始まる様々な教科学習を支えることになります。また、このような認知機能に基づく学びを進める上で、意欲や動機づけが重要になります。いかに優れた認知機能があっても、やる気がなければ、学びを進めることはできません。
ここでは、児童期のこのような認知の発達とメカニズムやその背景理論を紹介し、続いて認知発達と教科学習との関連を示します。さらに学びのつまづきとその支援について認知カウンセリングや動機づけの理論を基に考察していきます。
【キーワード】
認知/認知発達/ピアジェ/思考の発達段階/直観的思考段階/具体的操作段階/量の保存課題/形式的操作段階/現時点での発達水準/潜在的な発達可能水準/発達の最近接領域/ヴィゴツキー/ブルーナー/足場かけ/感覚記憶/短期記憶/長期記憶/宣言的知識/手続き的知識/意味記憶/エピソード記憶/作業記憶/メタ認知/熟慮型/衝動型/動機づけ/外発的動機づけ/内発的動機づけ/数概念/バグ/読み能力/先行オーガナイザー/演繹推論能力/9歳の壁/素朴概念/誤概念/認知カウンセリング/共同学習/分散認知
�だ椎�期のアイデンティティの確立と支援
大野 久(立教大学)
青年期における社会的発達の様相/青年期におけるアイデンティティのつまずき/親密性の発達
【解説】

青年期は、生涯発達の中で一人前の社会人になるための自我発達に関心が集まる時期といわれます。
ここでは、生涯発達をエリクソンの漸成発達理論から捉え、青年期の発達と支援を考察します。自我発達についてはアイデンティティの観点から、異性を含めた人間関係について は親密性の観点からみていきます。アイデンティティの確立に関しては、アイデンティティとは何か、その模索、悩みの実例、見つけ方としての「危機」と「役割実験」、そして、アイデンティティのつまずきの可能性を秘めたフォークロージャー、アイデンティティ拡散、否定的アイデンティティを取り上げます。親密性の発達に関しては、親密性と愛情、その発達における問題、孤立( ひきこもり)、絶対もてないという否定的アイデンティティ、アイデンティティのための恋愛を取り上げます。人生は青年期から始まるという言葉があります。それだけに迷いや悩みの多い時期です。これまでの研究で蓄積された多数の事例から、理論的解説と支援についての情報を提供します。
【キーワード】
青年期/アイデンティティ/エリクソン/青年期の悩み/自我発達/危機/役割実験/フォークロージャー/揺り戻しの悩み/否定的アイデンティティ/親密性/愛情/孤立/引きこもり/アイデンティティの拡散/絶対もてない否定的アイデンティティ/アイデンティティのための恋愛
�ダ椎�期のワーキングメモリ・メタ認知の発達と支援
中道 圭人(静岡大学)
思春期・青年期の認知の様相/青年の思考を支える基本的な認知能力/学習上のつまずきと支援
【解説】

青年期には、児童期には経験しなかった複雑で困難な課題や出来事に直面します。より高度な学習内容、高校や大学の受験、就職活動、自分の将来のライフプランの計画などがあります。青年は様々に考えを巡らせ、試行錯誤しながら、課題や出来事を乗り越えていきます。上手く乗り越えられる人もいれば、中には、つまずいてしまう人もいます。
ここでは、それらの青年期の発達課題を見ていきます。まず、 形式的思考や「今、ここ、自分」を超えた思考といった青年期の思考の特徴を紹介します。続いて、それらの青年の思考を支える脳の構造的な変化や、ワーキングメモリ、メタ認知といった基礎的な認知能力の発達について解説します。さらに、それらの基礎的な認知能力が学業という知的な課題にどのように関わっているのか、そして、学業につまずいたとき、その認知能力に関する視点からどのように支援すべきかについて紹介していきます。
【キーワード】
形式的操作期/経験を越えた思考/組み合わせ思考/命題的思考/時間的展望能力/他者の視点の獲得/学校教育/前頭葉/ワーキングメモリ/リーディングスパンテスト/ワーキングメモリ容量/音韻ループ/視空間スケッチパッド/中央実行系/メタ認知/メタ認知的活動/メタ認知的知識/モニタリング/コントロール/ワーキングメモリ得点/ギャザコール/アロウェイ/リハーサル/認知カウンセリング/自己診断/診断的質問/図式的説明/比喩的説明/仮想的教示/教訓帰納/心理カウンセリング
��成人期の就労・結婚・子育てと支援
大日方 雅美(恵泉女学園大学)
成人期における社会的発達の様相/就労に際しての課題と支援/結婚に際しての課題と支援/子育ての問題と支援
【解説】

成人期は様々な社会的役割を果たしながら、責任感に裏付けられた充実した人生設計をめざす時期です。職業生活や家庭生活、地域活動等を通して、社会人としての自覚と地位を確かにする時期なのです。そのために職場や社会生活に必要な知識や技術と共に、対人関係スキルの一層の向上が求められます。成人期の学びの特徴は、これまでの発達過程で修得した知識や技術を基礎とし、職場や家庭、地域等での実体験に基づいた主体的な学びを重ねることにあります。当然、様々な挫折やつまずきに遭遇することでしょう。また、今日の社会は変動性が高く、人々の生き方も多様化しています。そうした中、壁にぶつかりながらも、他者との共存を大切にした自分らしい生き方を模索する力を磨くことは、成人期の課題であると同時に、人としての発達の到達目標でもあります。
ここでは、現代社会の中で、私たちはいかに生き、何を目指して子どもを育んでいったらよいのか、その道標となるものを成人期の就労、結婚、子育ての課題を通して考察します。
【キーワード】
社会的発達/アイデンティティ/性別役割分業/混沌/就労/職住分離/インターンシップ/キャリア支援室/企業訪問/キャリア教育/ミスマッチ/就職難/エントリーシート/新卒応援ハローワーク/ジョブサポーター/OJT/晩婚化/非婚化/自由恋愛/婚活/婚活イベント/子育て/育児放棄/親役割/育児不安/育児ノイローゼ/虐待/家族支援・親支援/あい・ぽーとステーション/一時保育/子育て・家族支援者/子育て・家族支援者養成講座/社会参加
��中年期のアイデンティティの再体制化と支援
大野 祥子(白百合女子大学)
中年期の社会的発達の様相/中年期の危機の背景にあるもの/アイデンティティの危機と再体制化
【解説】

中年期は、社会の中核的な立場をしめる人生でもっとも脂ののった年代です。同時に、身体的な衰えや体調の変化を自覚したり、家庭では子育て役割に区切りがつき、職場では管理的な立場に移行するなど、社会的な役割の上で変化の多い時期でもあります。人生の折り返し点にきたと感じて「自分の生き方はこれでよかったのか」とこれまでの人生を問い直すことを「中年期の危機」といいます。少子高齢化、家族の発達段階等、様々な要因が関係しています。自身の生き方の見直しと同時に、「これからもこの人と、これまでのような関係を続けていくのか」と夫婦関係の再調整を迫られることもあります。子どもの自立に際して子育て役割を上手に手放せるかどうかは親子関係に関する大きな課題です。「中年期の危機」とそれを受けての「アイデンティティの再体制化」は、精神的に健康な人にも訪れる発達的な問題です。
ここでは、変化していく自分を受け入れつつトータルな存在としての自分を見つめ直し、社会との関係を結び直す助けとなる社会資源を紹介します。
【キーワード】
人生の折り返し点/中年期危機の構造/職業における変化/家族における変化/生物学的変化/心理的変化/家族構造/親役割/子どもの自立/空の巣症候群/離婚/自己の有限性の自覚/性別役割分業/扶養役割/世話役割/社会・歴史的要因/ライフステージの要因/合計特殊出生率/ライフイベント/子育て解放期/カーター/マードリック/家族の発達段階説/夫婦の共通目標/夫婦の結婚満足度/アイデンティティの再体制化のプロセス/身体感覚の変化/自分の再吟味と方向付けへの模索期/軌道修正・軌道転換期/アイデンティティ再確立期/退職準備教育/定年退職に伴う変化/カップルセラピー/サンドイッチ世代
�┨睥雋�の社会関係・身体的条件の変化と支援
藺牟田 洋美(首都大学東京)
サクセスフルエイジング実現のための理論/地域における高齢者への支援/ライフレビューによる閉じこもりへの支援
【解説】

高齢期には、様々な身体的・心理的変化や人的・物理的環境を含めた社会環境の変化が訪れます。その社会的発達は、個人差が大きいといえます。高齢期はこれまでの人間関係の拡がりとは対照的に、友人や配偶者などの人間関係を喪失しやすい時期といえます。一方、退職後も社会と繋がり、新たな人間関係を築く高齢者や、世代間等の交流などを通じて有用感を実感する高齢者もいます。豊かな高齢期のための、いわゆるサクセスフルエイジングには色々な形があります。また、高齢期の社会的発達を理解する上で、身体的機能のレベルの理解も欠かせません。高齢者はADLなど自立度レベルにより自立・閉じこもりや要支援・要介護状態に大別できます。身体的レベルは社会的関係の発達にも影響するため、わが国では、身体レベルに応じて介護予防や介護保険制度により高齢者への社会的支援を実施しています。
ここでは、高齢者が抱える問題点、そして高齢者が社会の主役として生きていけるための支援のあり方を考えていきます。
【キーワード】
超高齢社会/日常生活動作能力(ADL)/社会的孤立/健康度自己評価/身体及び精神の健康の喪失/経済的自立の喪失/家族や社会との繋がりの喪失/生きる目的の喪失/サクセスフルエイジング/離脱理論/活動理論/連続性理論/介護予防一次事業/介護予防二次事業/高齢者サロン/自己開示力/閉じこもり/自己効力感/ライフレビュー/訪問事業/ライフレビューの効果/キューブラー・ロス/死の受容・心の5段階プロセス/否定・怒り・取引・抑うつ・受容/エリクソン/自我の統合性/シルバー人材センター/自己有用感/生きがい
��高齢期の認知・注意・記憶の発達と支援
佐藤 真一(大阪大学)
高齢期における認知発達の様相/高齢期における認知発達と支援/認知症と軽度認知障害
【解説】

高齢期になると視覚、聴覚などの五感の機能が低下するともに、注意、記憶、推理、判断などの認知機能も低下します。しかし、同じ記憶のなかでも、意味記憶や手続き的記憶のように高齢になってもほとんど低下しない機能も存在します。認知機能のこのような複雑な加齢パターンを理解することが、高齢者が生活しやすい社会の構築に役立ちます。例えば、近年のIT技術の発達には目を見張るものがあります。しかし、認知機能の低下した高齢者が、銀行のATMや自動販売機を使えずに困っているところを見かけます。
ここでは、高齢者が使いやすい機器の開発や、安心して暮らせる生活環境の在り方について事例を通して検討します。 また、認知症高齢者への支援も超高齢社会の大きな課題です。認知症では、認知機能を司る脳細胞が傷ついてしまいます。認知症の症状を解説するとともに、グループホームでの実際の支援方法と最新のロボット技術を用いた支援の試みを紹介します。
【キーワード】
知覚/ボトムアップ・トップダウン/感覚機能/聴覚機能/注意/選択的注意/分配的注意/妨害刺激/目標語/妨害語/視野領域/有効視野/中心視野/短期記憶/作動記憶/エピソード記憶/意味記憶/手続き記憶/展望的記憶/虚偽記憶 /空間認知能力/ユニバーサルデザイン/みんラボ/講習予備検査/高齢者講習/ドライビングシュミレーター /バリアフリー/ビシュアルバリアフリー/認知症/アルツハイマー病/脳血管障害/脳梗塞/脳出血/記憶障害/失語・失行・ 失認・実行機能障害/見当識障害/中核症状/レビー小体病/軽度認知症障害/BPSD /認知症高齢者グループホーム/コミュニケーション支援/認知症高齢者支援ロボット・テレノイド
��生涯発達における可塑性と自己制御
鈴木 忠(白百合女子大学)
可塑性〜生涯発達心理学の中心概念〜/知能の可塑性の証明/発達の自己制御〜SOC理論〜/熟達化とSOC理論
【解説】

生涯発達心理学は、人間の発達が「自然に」おこるというより、外から働きかけられたり自ら変わろうとすることで、発達や加齢のしかたが変化すること=可塑性=を実証してきました。例えば、知能の加齢変化の研究は、知能の低下がこれまでいわれてきたほど大きくない一方で、加齢に伴う個人差の拡大を明らかにしました。訓練をすれば高齢期でも知能が維持され、場合によっては向上さえすることが分ってきました。つまり加齢とともに拡大する個人差は、生まれつきのものというより、個人が自分の歳のとり方をいかに制御するかによるのであり、しようと思えば「じょうずに」できることでもあるのです(サクセスフルエイジ ング)。
ここでは、人間が実際にどのように「じょうずに」歳をとろうとしているかについてのSOC理論を紹介し、理想的な加齢の到達点としての英知と、その獲得に関係する人生回顧について解説します。生涯発達心理学は、発達の可塑性の大きさと性質を明らかにすることで、生涯を通じての支援がいかなるものであるべきかを考えるための基礎理論となっているのです。
【キーワード】
発達心理学/バルテス/シャイエ/生涯発達心理学/可塑性/キャッテル/結晶性知能/流動性知能/横断的方法/縦断的方法/シアトル縦断研究/推論能力/コホート効果/標準/加齢変化/サクセスフルエイジング/限界テスト/潜在能力/コントロール/認知症予防/目標/内的資源/外的資源/SOC理論/選択/最適化/補償/熟達化/エリクソン/英知の獲得